【お詫び編】ビジネス文書の書き方


営業マン、コンサルタント等お客様と直接接する業務を行っている方にとって、発生頻度は少ないものの一度発生すると非常に大変なのが「お客様からのクレームへの対処」です。

普段からスマートな行動を心がけている方ほど、お客様とトラブルになってしまった時の対処に慣れておらず、苦労しがちです。

特に、お詫びをするためにお詫び文書(レター)を提出するまでのプロセスは、社内の複数の関係者を介して多くの方の時間と労力が必要になるため、要注意です。

今回は、その「お詫び文書(レター)」の書き方について「パソコンの盗難にあった」例を元に解説します。

 

お詫び用ビジネス文書を書くコツ

 

❏ビジネス文書としての体裁を整える

❏事実を忠実に報告する

❏事実を時系列で記載する

❏初見の方でもわかるように記載する

 

お詫び文書の例:

2015年3月24日

株式会社ジェネストリーム 御中

会社名

代表取締役社長

社長名(担当者名)

貴社社員の個人情報が入った業務用パソコンの盗難について

拝啓 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別なるご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

このたび、弊社社員が社外へ持ち出していた業務用パソコンが盗難に遭い、貴社社員の個人情報が漏えいする可能性がある事象が発生いたしました。関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げるとともに、本件について下記のとおり、事象概要、経緯、原因、今回の対応、今後の対策をご報告申し上げます。

敬具

1.事象概要

弊社社員が社外へ持ち出していた業務用パソコンが盗難に遭い、貴社社員の個人情報が漏えいする可能性がある事象が発生いたしました。業務用パソコンの中には、該当の弊社社員と貴社社員とのメール送受信データやその添付ファイルが保存されておりました。

該当の業務用パソコンには起動直後とWindowsへのログイン時のパスワードが設定されておりましたが、これらのパスワードが解読された場合、メール送受信データとその添付ファイルに含まれる貴社社員の個人情報が漏えいする可能性があります。

現時点で想定される貴社社員の個人情報の内容は、「氏名、所属、役職、連絡先」です。

 

2.経緯

xx月xx日(曜日)

10:10   弊社社員が、業務用パソコンが入った鞄を持って●●店に入店する。その後、空いている座席を確保するために鞄を座席に置き、商品の購入及び手洗いのため鞄を置いたまま離席する。

10:15  当該社員が座席に戻り、鞄が無くなっていることに気づき、盗難事件として通報する。

11:20   当該社員が××交番にて被害届を提出する。

13:00   盗難に遭った業務用パソコンからメールの送受信ができないように、弊社内にてメールサーバーへのログイン・パスワードを変更する。

 

3.原因

業務用パソコン内に貴社社員の個人情報が保存されているにも関わらず、弊社社員が社外にて、業務用パソコンが入った鞄を飲食店の座席に置いていたことが原因です。

 

4.今回の対応

業務用パソコンの盗難について警察署へ被害届を出しておりますが、現在のところ、発見することができておりません。なお、弊社内にてメールサーバーへのログイン・パスワードの変更を既に行い、今後送受信されるメールが盗難に遭った業務用パソコンから参照できないように対応しております。

 

5.今後の対策

今回の事象の発生をうけまして、二度と同じことを繰り返さぬよう、以下3点の再発防止策を行います。

 

▼再発防止策

①全社員の業務用パソコンの社外への持ち出しを原則禁止し、やむを得ない理由で持ち出しが必要なときには、上長の許可を得た場合のみ許可するようにいたします。

②全社員の業務用パソコンの起動直後とWindowsへのログイン時の二箇所でパスワードを掛け、セキュリティを強化いたします。

③個人情報が含まれる添付ファイルには必ずパスワードを掛け、セキュリティを強化いたします。

以上

 

 

ビジネス文書の体裁で事実を正しく報告し、お詫びをしよう

 

❏ビジネス文書としての体裁を整える

普段は、メールでのやりとりや資料発送のレター、セールスレターを作成するくらいしか行わないと思いますが、その要領でお詫び用のビジネス文書を作成してはなりません。日付や社名、その段落や位置、挨拶文など、定型のものを必ず利用しましょう。

自分自身の個人名で提出するとしても、会社から公式に提出すべきものになりますし、な何よりも普段からの文体で提出すると失礼であったり、常識をわきまえていないと思われてしまいます。

 

❏事実を忠実に報告する

たとえ、お客様が今までに見たことがないほどに怒っていたとしても、自社の非を認めたくない一心で事実を捻じ曲げて報告をしてはいけません。また、お客様にとって都合が良いように報告することも同様にやってはいけないことです。

ここで大事なことは、「事象概要」や「原因」の事実を報告することと、暫定対処としての「今回の対応」、「今後の対策」をきちんと記載して、今後の再発防止策を明記することです。結果として起こってしまったことは後から変えることはできませんが、発生したことが再発しないように対策をすることは可能です。

事実を正しく認識することで、再発防止の対策を正しく行うことができるようになるため、決して関係者の都合が良いように解釈せず、事実を報告しましょう。

 

❏事実を時系列で記載する

事実の報告をする際に重要なのが、その事実の因果関係を明らかにすることです。また、トラブルは人為的なミスが原因となって引き起こされることが多いため、関係者全員にヒアリングを行い、いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように判断や行動をしたのかを「経緯」として時系列で整理して記載しましょう。

ここでは、事実の報告のみを記載するため、後から解釈を加える必要はありません。その事象が発生した時点でどのように考えて行動したのかを記載するようにしましょう。

 

❏初見の方でもわかるように記載する

お詫び文書を確認するのは、普段から接している担当者の方だけではありません。基本的には、お詫び文書を出さなければならなくなった時点で、お客様社内でも部門内で問題視しており、担当者の上司が「お詫びを求めるよう」に指示を出して行うことが多いです。

そのため、普段から使っている業界専門用語や技術や知見がないとわからない現場用語を使わないようにしないと、相手に正しく認識してもらうことができません。

 

お詫びのビジネス文書は作成してからがスタート

 

文書ができあがったと思い、「これであとは提出してお詫びをするだけだ」と喜んではいけません。注意すべきポイントを守って作成してからが本番です。まずは、上司のレビュー、その後に社内の法務や広報など対外的に提出する文書を管理している部門の担当者にレビューをしてもらう必要があります。

担当者レベルで記載をする文書だったとしても、提出してしまった文書は両社の代表者として記載されたものとして取り扱われます。後々、大きな問題や前例を作ってしまうことにより、今後のビジネス展開に影響を及ぼしてしまうこともあるため、必ず社内関係者の全員から同意を得ましょう。

そのプロセスを経てから、ようやくお客様へ報告することができるようになると認識しましょう。

 

まとめ

 

お客様へのお詫びをすることは誰しも気負うもの。うっかりミスをしてしまった代償が大きかった・・・など自分本位の視点で反省するのではなく、発生してしまった事象の原因を客観的にきちんと見直しましょう。

これは、再発しないように対策をとり、今後のビジネスを気持ち良く進めていくことができるように信頼関係を築いていくためにとても大切なことです。

「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」発生した事象をきちんと振り返り、お互いの信頼関係を回復させて、気持ち良くビジネスができるようになりましょう。

 

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